なんばグランド花月に行ってきた。吉本の本拠地。大御所、脂が乗り切った芸人+吉本新喜劇という組み合わせ。1階席5000円だったが、その価値は十二分にあった。
予約席は自動的に割り振られるというシステムだが、1人での予約であったため、予約が遅くなった割には、前から5列目、中央という絶好のポジション。
パフォーマンス芸のGABEZが座を温め、西川きよし師匠、フットボールアワー、ミルクボーイ、銀シャリ、ネイビーズアフロが各人の話芸を披露し、小休憩後新喜劇になだれ込むという展開。
御年78歳、芸歴60年の西川きよし師匠が目の前で話芸を繰り広げてくれるというだけで、ある程度の年齢の関西人は感動モードに入るのだろうが、ネタの内容も自分にはどはまり。ただ、ネタの一部は、昔の芸人を知らないとわからないものもある。ただ、わかっていなくても十分笑える。
ミルクボーイは、一定の型のネタを、手を変え品を変え、違った形から徹底的に繰り返すとこれほど面白くなるのかということを再発見させてくれた。ネタを徹底的に準備しており、ソッド、芸を感じさせてくれた。一番面白かった。
フットボールアワーも、流れとしてはミルクボーイ同様。ネタをしっかりと準備し、一定の型の笑いを何度も炸裂させていた。西川師匠を別格とすれば、今回の中で一番格が高い人(幕が開いたときにもどよめきが走っていた)だと思われるが、やはりこうした格に見合った技術を見せつけた。
銀シャリは観客参加型で笑いを取っていた。大喜利的な感じ?アドリブ要素も強いが、しっかり笑いを取っていた。ネタの選定にちょっと無理があったので、自分としては少し入り込めなかった。
ネイビーズアフロは大御所と比べるとまだこれからといった感じ。面白いネタもあったが、感情移入しづらいところもあった。今後の活躍・成長に期待。
本新喜劇は、酒井藍さんが座長さん。笑いあり、涙ありという展開。一つ一つのネタは面白かったし、酒井さんのネタの方向性もよく分かった。座長さんの個性によっても変わると思うので、また別の座長の公演も見たいと思った。
全体を通して言えば、テレビや映像で見るのと、劇場で見るのは全く違うということ、それから、グランド花月に出てくるような芸人の皆さんは確立した話芸やネタを持っていて、しっかりとプロとして笑いをとれるということを確認できてよかった。
毎週テレビで吉本新喜劇や漫才を見ようとは今更思わないが、劇場は別物。関西人としての補正がかかっていることは確実であるが、本当に見に行ってよかった。