家計管理

ファイナンシャルプランナーの勉強のおすすめ(その1)

自分の職業はファイナンシャルプランナーとは何の関係もない仕事ですが、ファイナンシャルプランナー2級の試験を先月受けました。3月に合否が発表されますが、自己採点では合格となる見込みです。

ファイナンシャルプランナーの資格を取る人の多くは、業務上必要だから資格を取る金融機関の方々だと思います。また、受験会場には若い人も多かったので、学生の方も多いのでしょう。今後のキャリア形成のために、資格を取るということかもしれません。

では、金融機関でなく、キャリア形成の目的も持たない人がファイナンシャルプランナーの勉強を行って無駄かというとそうではありません。家計管理や資産形成を行う責任を有する社会人が、ファイナンシャルプランナーとしての基本的な知識を身に付けることはとても有意義です。資格試験である以上、カリキュラムは標準的ですし、市販されているテキストはとてもわかりやすいです(自分はTACが出している瀧澤ななみさんのテキストと問題集を使いました。)

ファイナンシャルプランナーの試験は、①ライフプランニングと資金計画、②リスクマネジメント(要は保険です)、③金融資産運用、④タックスプランニング、⑤不動産、⑥相続・事業承継という6つの分野に分かれています。

多くの人が詳しくないが、実はとても重要というのが、①ライフプランニングと資金計画で扱われる社会保険や公的年金という分野だと思いますので、ここでは少し紹介します。

では、以下のような事例について皆さんは答えられるでしょうか。

自分が入院した時の費用が高額だった場合、どの程度の支払いが発生するのか(⇒高額療養費制度(「月給」が50万以下の場合自己負担は約8万でほぼ頭打ち。ただし、計算は月単位))

自分が病気で働けなくなった場合、どの程度の期間、どの程度の額が健康保険から支給されるのか(⇒傷病手当金(「月給」の2/3が最長1年半支給))

自分に万一のことがあった場合、家族にどのようなお金が支給されるのか、その金額は家族構成や子供の有無、年齢によって変わってくるのか、勤務期間が短い場合に十分な支給が行われるのか(⇒遺族基礎年金、遺族厚生年金(遺族基礎年金は78万。18歳未満の子がいると約20万加算されていく。遺族厚生年金はその時点での老齢厚生年金の報酬比例額に3/4をかけたもの。遺族厚生年金の場合は、最低でも300カ月(25年)は保険の支払期間があったとカウント)

自分の年金がいつから支給されるのか、どの程度支給されるのかを制度や数式、具体的な見込み額も含めて理解しているか(⇒老齢基礎年金、老齢厚生年金。65歳からだが繰り下げ、繰上げ可能。基礎年金は78万が基本だが、未加入等の減額あり。老齢厚生年金の報酬比例額は賞与を含む平均月収に0.005481×保険支払月数をかけて積算。65歳時点で年下の配偶者がいる場合、期間限定の加算(年間約20万)あり)

公的年金を補う年金制度やその仕組み、税制上の優遇措置を理解しているか(⇒サラリーマンの場合はiDecoが活用可能(拠出、運用、受け取りそれぞれで税制優遇あり)

などなどです。とてもアバウトな説明ですのでご容赦を。

高額療養費制度やiDecoについては、いろいろなところで出ているのでご存じの方も多いと思いますが、傷病手当金の支給期間や老齢年金については自分の理解は不足していましたし、遺族年金などはそもそも内容を全く把握していませんでした。皆さんはいかがでしょうか。

どのような家計管理を行うにしろ、以上のような公的制度の知識・理解を前提として行った方がよいと思います。日本人の多くに抜け落ちている分野の標準的な知識をファイナンシャルプランナーの勉強は効率よく埋めてくれます。試験を受けるかどうかは別としてぱらぱら眺めて、気になるところ、知りたいなというところを読んでみる価値はあります。

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ひみえし
ひみえし
中年会社員。妻と1男1女の4人家族。 2級FP。投資、家計管理、情報発信など個人としての生活力の向上に取り組んでいる。